April 09, 2005
歌、歌、歌！
今日、久々に椎名林檎の『無罪モラトリアム』を聴いた。そして、家に独りだったので、思いっきり歌ったりしてみた。
そしたら、不思議と胃の痛みが消えた。
腹式の深呼吸は毎日やっているので呼吸自体は常に深い。
しかし久々に歌う為の呼吸……強弱をつけたり、強制的に吸ったり……をしたので、うまくできず手足が痺れた。でも体内の酸素がなくなったと同時に、新しい酸素が行き渡った感じがする。
正しく発声すると、体内の換気が充分に行える。
そうか、よく考えたら最近肺を空にしてまで声を出すなんて事してない。
伸び伸びと発声するのは、まさに体内の「伸び」みたいなもんだ。
ゆったりした音楽を聴いても別段リラックスした気分にはならなかったし、睡眠導入に音楽を聴いてもイマイチだった。
そもそも、私と音楽の関係は『聴く』一方ではなくて、『聴く←→歌う』の双方向だったはずだ。だから、聴くだけの音楽は逆にフラストレーションを溜めるのかもしれない。
なんか、なるほどって気分だな。歌いたい歌を聴いて歌うことがいいのかもしれない！
★ちなみに、今日のモードが『無罪モラトリアム』だったワケ。
『無罪〜』だけじゃなくて、『ここでキスして。』シングルも含めた一連の作品は私にとって大変思い入れが強く、生涯ベストアルバムに確実にランク入りするであろう作品群である。
流行りものだったからでもなく、椎名林檎を崇拝するなどの類いのものではない。別に同じ体験をしたとか歌詞に共鳴したわけでもない。
ただ、このアルバムには鬱屈したモラトリアムの結晶のような、衝動的で、故に弱くて残酷な美しさがあり、それが自分が目を背けていた自分を呼び起こしてしまった。ある年齢になるとみんな意味もなくブルーハーツを聴く、というような、特有の引力をもっている。だから、そのうち卒業するのだ。自分が何者かなんて考えなくなったら、中毒のように聴いていたアルバムだってただの想い出の一枚になる。
（だから私の中で『本能』で椎名林檎は終わってる。）
しかしながら、よくも悪くも社会適応ならず未だモラトリアムから脱しきれない、曖昧で人の形に至らない自分には、まだこの非リアルがリアルなのである。
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