November 02, 2004
映画【大隻 [ｲ老]】---2003年公開・香港（日本未公開）
人は因果を断ち切る為、何をすべきか。大切なことは何なのか。世界を平和に導くキーワードが、この映画にこめられている。++++++++++++
香港影帝の劉徳華（アンディー・ラウ）と、最近若手の中でダントツにギャラが高いらしい張柏芝（セシリア・チョン）出演、２００３年の香港映画賞で、劉徳華は主演男優賞を、その他にも多くの賞を獲得という【大隻 [ｲ老]】が、とうとう日本で公開された。
見たのは１０／６なんだけどね。（笑）
邦題は『マッスルモンク』…そう、“マッスル”はムキムキ、“モンク”は坊さん。「ムキムキの坊さん」というタイトルからしたら、どんなふざけた映画か、とまず考えるのは当然と思う。…いや、自分がそう思っただけだけど。
だって、ムキムキの特殊メイクしたアンディーが全裸で街を走りまわるって聴いちゃったら、やっぱりコメディーでしょ！と思うでしょう。そう思い込んで映画館にいったら、とんでもなかった。勿論、香港映画のコメディーさ、巧みなアクションも大いに楽しめるが、真のメッセージは「因果を断ち切るのは、罪を許す大きな心。それが人々を平和に導くこと。」である。なんとも素晴らしい、崇高な映画だった。
【あらすじ】
自慢の肉体を惜し気もなく披露するストリッパー《ビッグ・ガイ／大隻 [ｲ老]（飾：劉徳華）》は実は元僧侶。ある事がきっかけで人の＜業（前世が重ねた罪）＞が見えるようになり、世の無常さを悟り俗世へ戻ってきた。彼はストリッパーたちを猥褻罪で逮捕しに来た女刑事（飾：張柏芝）がとても強い＜業＞を背負っていることに気付く。前世の業を断ち切らなければ、因果応報に因り確実に死は彼女を迎えに来る。自分を苦しる「ある事」が再び起こらぬように、ビッグ・ガイは彼女を忍び寄る死の影から幾度も救い出すが……！
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この映画は先が読めない！
そして実際に見て、メッセージを感じてほしいので細かくかきません！
香港映画は大体１００分前後なのだが、【大隻[ｲ老]】もそのぐらい。しかし、この短い時間に多くのエピソードと伏線があったとしても、見ている側が混乱するような急展開はない。緻密に組み上げられたストーリーであり、故に簡潔でテンポがよく、隙がなく濃密である。主演の劉徳華の若々しい存在感はコメディーパートでもシリアスパートでも充分に発揮され、キャラクターの光と影を見事に表わしている。またムキムキボディの特殊メイクを施しながらも軽々とアクションをこなす姿には感服いたします（４３歳には見えない！！！）。
中国圏の映画は、仏教的思想が描かれているものがとても多く、この映画も例にもれず仏教思想を強く反映した作品である。だけどここで描かれる「罪を許す大きな愛」は、どの宗教でも同じようなメッセージがあり、また、誰にとっても大切な事である。
だから、宗教や文化などの様々な偏見を捨て、多くの人に見てほしいと映画だと思う。
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